Wolfgang Amadeus Mozart
モーツァルト ( 1756 - 1791 )


モーツァルトは1756年、オーストリアのザルツブルクに生まれた。幼少の頃よりその才能を発揮し、その生涯は僅か35年ではあったが、多くのジャンルにわたり数々の名曲を残した。
映画「アマデウス」はフィクションも交えてはあるが、モーツァルトのその才能と貧困を十分伝えており、まだ観ていらっしゃらない方には是非お奨めします。
モーツァルトの曲の多くは長調で書かれておりその美しい調べは瞬時にして万人の心を奪ってしまう。幼少期は別として成人となってからは貧困の連続だったにもかかわらず、あのような美しい曲を書くことができるなんて、やはり彼はゲーテが言ったように「悪魔の子」だったのだろうか。そうでなければあのように人間を惑わすような美しい音楽は書けない。

モーツァルトの時代の聴衆はあまり短調の曲を好まなかった。したがってモーツァルトとしても音楽会へ多くの聴衆を集めるためには客受けする「長調」の曲を書かねばならなかったのである。そんな時代背景にあって書かれた短調の曲は聴衆を意識した作品ではなく、モーツァルトの心の中を吐露した作品のように私には思えてならない。神格化されたモーツァルトに「人間」を感じるからであろうか、それだけに私はモーツァルトの「短調」により惹かれるのである。
「ト短調」の交響曲第25番(K.183)と第40番(K.550)、「ニ短調」のピアノ協奏曲第20番(K.466)、そしてモーツァルトの絶筆となったレクイエム(K.626)も「ニ短調」である。

モーツァルトの作品は膨大な数にのぼるが、モーツァルト研究家ケッヘルが分類して付けた「ケッヘル番号」によって呼ばれることが多い。

私の超お奨め作品ベスト3
ピアノ協奏曲 第20番 ニ短調 K.466
レクイエム ニ短調 K.626
歌劇「フィガロの結婚」全曲 K.492
特にピアノ協奏曲第20番 ニ短調(K.466)はベートーヴェンもお気に入りの曲で、よく演奏したとのことである。
また、ベートーヴェンはこの曲の第1楽章、第3楽章のカデンツァを作曲しており現在の演奏会でもこのカデンツァが演奏されることが多い。